犬のしつけは昔のままじゃダメ。どのように変わった?

犬のしつけは昔と比べて大きく変化しています。

子どものころ犬を飼っていたけど、
久しぶりに犬を飼うことになった人は
「昔飼っていたから大丈夫」と考えていませんか?

もしそうなら、ちょっと待ってください。

昔は当たり前でも、
今は時代遅れになっているしつけがたくさんあるんです。

今回は、犬のしつけの昔と今についてお伝えしていきます。

これから犬を迎えようと思っている人はぜひご参考に!

 

犬のしつけは昔と今でこんなに違う

2000年くらいまでは、今とはだいぶ違うしつけが
当たり前に行われていたんですね。

次のようなものです。

▶主従関係を作るべき

一番変化しづらく今も根強く残っているのが、
飼い主は犬と主従関係を作るべきという考え。

これは、犬の先祖はオオカミで、
群れのリーダーを中心に生活しているからと
いうのが理由らしいです。

例えば、
‘飼い主より目線が高くなるソファやベッドで
寝かせてはいけない’、

‘食事は飼い主が食べた後’、

‘散歩に行くときは飼い主から先に外に出る’

などがそうですね。

リーダー論では、
犬は家族を順位付けするとも信じられていて、
犬より下に順位づけられないように、
強い飼い主であることが求められたのです。

でも今は、
犬はオオカミとは違う遺伝子を持っていて、
群れは血縁によって成り立つ
あたたかいものという見方がされ、

群れのリーダーは、
強い力で支配しているのではなく、
食事を確保しいざという時に安全を保障する
存在ということも分かってきたんですね。

しつけに関しても最近は、
犬との‘信頼関係’をベースにしたものが
主流になっています。

▶体罰は必要

昔は、行き過ぎた主従関係が
体罰を生むことも多々ありました。

犬には感情がない、と
言われていたのですから驚きですよね。

叩く、蹴るの他、犬の急所であるマズルを掴む、
無理に仰向けにひっくり返すなどの
暴力行為が堂々と行われていました。

家族の中には、今だにこういうしつけを
する人がいるかもしれませんね。

でも今は、体罰の副作用が明らかになっています。

心理学や行動分析学の研究が進み、
ほめるしつけの方が、
効果が高いことが分かってきたんです。

家族の一員として暮らす犬にとって、体罰は不要!

20年前とは真逆のしつけが浸透しています。

▶クレートやケージに入れるのはかわいそう

留守番をさせる時、
ケージの中に入れることがあると思います。

少し前までは、
「狭い所に閉じ込めるのはかわいそう」として、
常に自由にさせる飼い主がたくさんいました。

でも、本来、
犬は洞穴を寝床にしていた動物なんですから、
狭い所は安心できる場所。

それに犬は縄張りを守ろうとする習性があり、
常に広い縄張りを守るのは疲れるものです。

また、子犬の時は特に、
飼い主の見ていない所での危険な遊びや
異物の拾い食いなどをしたら大変ですよね。

犬を迎え入れた時から、
しっかりケージやクレートを用意してあげましょう。

▶番犬として吠えるようしつける

昔、犬は狩りや猟の時、獲物の居場所を
吠えて知らせる役割を持っていました。

あるいは、
番犬として不審者が敷地に寄り付かないよう、
見張っていた時代もありましたよね。

外飼いが主流で敷地の一部に
繋いでいましたから、
誰か来るとギャンギャン吠える犬も
たくさんいたものです。

それでも、昔は今より家も密集していなかったし、
近所迷惑を気にすることが少なかったのでしょう。

ところが今は、住宅事情がどんどん変わり、
マンションで犬を飼う人が増え、
一軒家でも隣との距離が近いので、
外飼いには向かない環境になっていますね。

犬が吠えるのは近所迷惑になるだけでなく、
いっしょに暮らす家族にとってもストレスで、
決して好ましい行動と言えません。

今は、人と犬が共に暮らすために、
トイレのしつけや噛まないしつけと同じように、
吠えないしつけも重要。

犬の役割が狩猟犬や番犬から愛玩犬に変わり、
求められることが変わってきているんですね。

人の生活様式や認識の変化が犬のしつけにも影響が

このように、今では考えられないしつけが
昔のスタンダードでした。

でも、犬が変わったわけではありませんよね。

人が自分たちの変化に合わせて犬を品種改良し、
生活に合わせてしつけてきたと言えるでしょう。

大昔から、犬は人のパートナーでした。
でも、時代が移り変わるにつれて、
求められる役割や性質に変化が
表れてきたのでしょう。

人の都合に合わせて共存してきた犬が、
少しかわいそうになりますね。

だからこそ、犬の幸せを
考えてあげなければいけないと思うのです。

昔は、犬の幸せを願うことは
今より少なかったでしょう。

でも今は、犬と接する時間が長くなり、
飼い主との心の距離も、
昔とは比べ物にならないくらい
近くなっていると思いませんか?

犬と向き合うと同時に、
犬の生涯に責任を持っていく時代に
なっているんですね。

これからも犬のしつけは
変わっていくかもしれません。

ただ言えることは、昔よりも、犬を飼うことに
しっかりとしたモチベーションと環境整備が
求められていくということではないでしょうか。


昔(1960年代)犬を飼っていて、
その時のしつけは正しいと頑なに信じていた夫は、

今は亡くなりましたが、
うちで飼っていた
ほたる(ポメ×柴♀)というワンコが2才くらいの時、
体罰を当然のように加えてしまったのです。

その一度きりの暴力で、
夫以外の家族を本気噛みする凶暴犬へと変貌。

怖いからか(その割に一番懐いていた)
夫をリーダーと認めたほたるは、
その八つ当たりの対象が私や息子や娘という
最悪の状況になってしまったのです。

ほたるは12才を待たずに次の世界に旅立ちました。

12才まであと3か月というある日、
突然歩けなくなり寝たきりになってしまったのです。

噛む犬になったほたるの介護は、
思うようにはいきませんでした。

噛まれるのが怖いというのもありましたが、
触ることでほたるにストレスがかかり
よけい弱ってしまうんじゃないかと思って
触ることができなかったのです。

たった一度の体罰でも
噛む犬になるケースは少なくないので、
絶対体罰はしないことを強く願ってやみません。

犬のしつけは、
昔とは確実に変わってきているのですから。

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