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犬を過保護にするのと愛情は違う?飼い主の心理を探る

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

犬を過保護にするのと愛情は違う?飼い主の心理を探る

犬にも過保護があるって知っていますか?

よく子育てで問題とされていますが、
実は犬にもあるんです。

飼い主が過保護にしすぎると、
犬は過剰にストレスに弱くなったり、
不安が強くなったりしてしまうように。

良かれと思ってしているあの行動が、
周りから見れば
「過保護すぎる」
と捉えられることもあるようですね。

犬を過保護にしているかどうかは、
飼い主の次のような行動や態度から
察することができます。

①叱れない
②要求に応えすぎる
③禁止しすぎる
④キレイにしすぎる
⑤快適にしすぎる

「自分のことかも…」

と思った人はいませんか?

犬を過保護にするとはどういうこと
なのか、過保護と愛情の違いや
目指す方向性について
ここから解説していきます。

犬を過保護にしているとは
どういうことか

では一体、犬を過保護にするとは
どういったことなんでしょうか。

ひと昔前なら考えられなかった飼い方が、
今では普通と呼ばれたりするから
不思議です。

①叱れない

可愛いからと言って叱れないのは
いけませんね。

怒るのと叱るのは似ていますが、
実は全く違うもの。

怒るのは感情をぶつけるだけの行為。

でも叱るのは、
飼い主の責任を果たす行為です。

犬のしたことは飼い主の責任になるのは
知っていますよね。

人に噛みついたり、
危ないことをしたりしたら、
きちんと叱るのが飼い主の役割。

叱らないのはある意味楽な方法です。

でも、何年か後に、そのツケが回って
くるでしょう。

②要求に応えすぎる

「欲しい!」
と要求するものをいつも与えるのは
やめましょう。

要求が通るのが普通になり、
少しでも我慢が求められる場面に、
耐えられなくなってしまいます。

「遊ぼう!」
と言わんばかりに犬が誘ってきたら、
一度
「おすわり」
などコマンドを使って言うことを
聞かせます。

それができて初めて
「よし!」
と言って遊びたいという要求を
受け入れましょう。

③禁止しすぎる

散歩中、他の犬と関わろうとすると、
飼い主の方が怖がって、
すぐに抱き上げてしまうのを見ることが
あります。

ケンカになりケガをするのを
心配するのは分かりますが、
それでは犬の社会性が育ちません。

他の犬や猫のオシッコや糞が
ありそうな所は、
「汚いので歩かせたくない」
というのもいかがなものでしょう。

探索するという犬らしさや犬ならではの
喜びが奪われてしまいますね。

④キレイにしすぎる

きれい好きの飼い主によく
ありがちなのが、シャンプーのしすぎ。

犬は頻繁にシャンプーする必要がない
動物です。

飼い主の自己満足な世話の仕方は
控えましょう。

⑤快適にしすぎる

日中留守番をさせている家庭では、
暑さや寒さ対策として、エアコンを
かけっぱなしにすることもありますよね。

犬には被毛があり、
体温を調整できるようになっています。

あまりに外に出る機会が少ないと、
せっかくの体温調節機能が
衰えてしまいます。

なるべく外の空気に触れさせ、
自分で体温を調整する機会を
持たせましょう。

過保護と愛情は違うの?

愛犬を過保護にしている飼い主は、
犬の世話に生きがいを感じています。

犬に必要とされることで、
自分の存在価値を確かめているのかも
しれません。

▶過保護は不安から生まれる愛

過保護は、犬のためではなく、飼い主が
自分の不安をぬぐうためにすることです。

例えば、危ないからといって、他の犬と
遊ばせないのは、

犬の社会性を育てることより、
犬がケガをするかもしれない不安を
消すための行動です。

また過保護は、自分と犬とは別の
存在だという境界線があいまいで、
依存しあっているために起こることでも
あります。

例えば、必要以上にシャンプーするのは、
犬のためではなく、人の清潔習慣を
犬にそのまま押し付けた結果です。

すっかり擬人化していますね。

▶健全な愛情は信頼から生まれる

健全な愛情は、犬を犬として
認めるスタンスから生まれます。

例えば、犬が草むらに向かっていった
場合、
「汚れるから」
と無理に止めたりはしないことです。

犬が犬らしくあることを喜べる人が、
本当の愛情をもった飼い主と
いうことになります。

犬は犬らしくが一番

長い歴史の中で、犬は人と共に
生きるために品種改良されてきました。

現代人に合わせた暮らしができる犬が
増えてきています。

けれど、やっぱり犬は、
人とは違った遺伝子を持つ動物。

人に合わせているのが自然では
ありません。

誰だって、自分らしさを出せる時が
一番幸せですよね。

犬は犬らしくある時が多いほど、
幸せなのかもしれません。

過保護で犬らしさを埋もれさせるのでは
なく、犬らしいいい面を引き出して
あげられたら最高です。

今回の記事のポイントです。

・犬を過保護にする飼い主の心理は、
 不安と依存から生まれる

・いくら可愛がっても、犬は自分とは
 別の存在と認め、犬が犬らしくある
 ことを喜べる飼い主になりたいもの

いかがでしたか。

子どもの過保護が問題になった背景には、
家族の核家庭化があると言われています。

犬の過保護が指摘されるのも、
一人暮らしの人やリタイヤした夫婦が、

マンションの一室で犬を飼うことが
増えた、という社会背景が関係
あるかもしれません。

まずは自分の飼い方を、
振り返ってみることをおすすめします。


{あとがき}

わが家は以前、ほたるというワンコ
(雑種の♀)を飼っていました。

ほたるは3ヶ月の頃、うちにやってきた
のですが、

私たち飼い主のほたるの育て方は、
決してほめられたものでは
ありませんでした。

一人の人間が子育てと犬育ての
両方を経験した場合、
同じような感情で育てるものなんですね。

私がそうでしたが、ほたるを
育てている時、

「あれこの感情○○(子供の名前)を
 育てている時もあったな…」

とデジャブのように。

ほたるの時は、
「可愛い、可愛い」
と言っては、
「ごはんが足りなさそうでかわいそう」
と追加してあげたり、

私たちが食事をしているテーブルに
近寄ってきて物欲しそうにしていると

「食べたがっていてかわいそう」

と分けてあげたり…。

子供(愛犬)のためではなく、
親(飼い主)が自分の不安をぬぐうために
していたのです。

まさに、自分の不安から生まれる
偽りの愛でした。

そういう過保護の反面、1才頃一度だけ
でしたが、ほたるは夫からスパルタ式の
しつけをされ、

夫以外の家族を流血するほど噛む犬に
変貌してしまったのです。

私たち夫婦のしつけ方針がバラバラで
一貫性のない歪んだ感情で育てられた
ほたるは、たまったもんじゃありません。

私がほたるを撫でてあげられたのは、
ほたるが虹の橋に旅立ってからでした。

あなたは愛犬を噛む犬にだけは
しないでください。

過保護どころか、
どんなしつけもできなくなりますから。

ほたるが、雷が怖くて震えていても
撫でてあげることもできず、
寝たきりになっても満足な介護も
できないんですから。

私のように、自責の念に駆られた
辛いペットロスを患うことのないよう
願っています。

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