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犬に噛まれたら飼い主から示談の申し入れが。どう対処する?

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

犬に噛まれたら飼い主から示談の申し入れが。どう対処する?

犬に噛まれた場合、
飼い主と示談の話し合いが
行われることになります。

けれど、多くの人は犬に噛まれた経験が
ないので、どんな風に進めればいいのか
戸惑ってしまうかもしれません。

災難な上に、飼い主の言いなりになって
損をしてしまっては踏んだり蹴ったり
ですよね。

犬の噛みつきによるトラブルは
“咬傷事故”といい、
年間4000件ほど起きています。

公共の場で、他の飼い犬によるものが
ほとんどなので、
犬を飼っていない人でも巻き込まれる
可能性は十分あります。

中には、身近な家族や友人が
巻き込まれることも。

大切な人を守るためにも、
ぜひ参考にしてみてください。

犬に噛まれて示談に応じる場合の
進め方は、ざっくりいうと
次のようになります。

①示談書の内容を交渉する
②記録をする

これだと大ざっぱすぎるので、
ここから、具体的に解説していきます。

犬の咬傷事故での示談の進め方

飼い主がペット保険や
個人賠償責任保険に入っていれば、
保険会社の担当者と交渉するのが
一般的です。

けれども、直接話し合わなければ
ならない場合もあるので、交渉の仕方を
掴んでおきたいところですね。

①示談書の内容を交渉する

治療費を含む損害賠償の金額についてが、
主な内容になります。

相手側の示す金額に誠意があれば
問題ないのですが、
中には足元を見てくる悪質な飼い主も。

飼い主の管理責任に関する資料を
持参しておき、相手の出方に応じて
説明する必要もあるでしょう。

“民法718条 動物の占有者等の責任”

に示される具体的な管理責任とは
以下の内容です。

・リードは適切につけていたか
・つなぎ方は安全だったか
・立ち話などして、飼い犬に対する
 注意が散漫でなかったか
・飼い犬を飼い主がけしかけて
 いなかったか
・応急処置や話し合いに対して誠実に
 対応したか

納得できる金額にするために、
治療費や通院にかかった交通費などの
領収書はしっかり残しておきましょう。

慰謝料についても合わせて提案します。

②記録をする

治療費と慰謝料が決まったら、
内容を “示談書” または “和解書” に
記録しましょう。

支払いがされなかった時、
これらが請求する根拠となります。

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犬の咬傷事故での示談交渉の具体的内容

次に、示談交渉の内容について、
具体的に触れていきます。

①治療費の請求

とても大切なことです。

表面的に
「たいしたことない」
と思っても、

深い傷だったり、感染症にかかって
しまったりと、予測できないことが
たくさんあります。

入院代はもちろん、薬代や交通費も
請求しましょう。

ここで、健康保険の適用方法を
説明します。

他人の飼い犬に噛まれたというのは、
“第三者行為”といい、治療費はすべて
飼い主が負担することになっています。

受診の際、健康保険が使えるなら、
被害者は病院の会計で自己負担額を
3割立て替え、あとで飼い主に
請求することができます。

残り7割も健康保険協会などが
飼い主に請求することになります。

②慰謝料の請求

慰謝料は、“謝罪金”や“お見舞金”
ともいわれ、治療費以外に被害者に
支払われるお金です。

痛い思いをするだけでなく、
飼い主との話し合いによるストレスなど、
咬傷事故には、精神的苦痛が伴います。

ケガの程度により適切に慰謝料も
請求しましょう。

一般的に、自賠責保険の基準である
“4200円×治療日数”を慰謝料として
提案することが多いです。

骨まで達するような重症だと20万30万、
後遺症が残る場合は、
100万が目安と考えるとよいでしょう。

③休業補償

入院や付き添い看護で、自分や家族が
仕事を休んだ場合の給料分を
請求できます。

勤め先に、休業日数を証明できるものを
発行してもらいましょう。

④逸失利益

万が一、後遺症が残って今までの仕事が
できなくなると、生涯で得られるはずの
収入が減ってしまうと考えられます。

その場合、減った分を飼い主に
請求することが可能です。

⑤示談後のこと

トラブルが解決したら、
もう関わりたくないという人も多いはず。

示談後に、

「今後一切連絡を取らない」

と約束することもできます。

咬傷事故で示談か和解か

示談と和解があるのを知っていますか?

どちらも目的は同じです。

支払う金額を明示して、
約束が守られない時の対応を
決めておくためのものになります。

①示談

示談とは、どちらか一方が法的責任を
負うことです。

噛みついた犬の飼い主だけが、
被害者に支払いなどを約束します。

ただし、あとで新たな事実が
分かった時など、
再び交渉する余地があります。

「ケガが治ったと思ったら、
 後から後遺症が見つかった」

「当時の申告にウソや思い違いがあった」

など、支払い金額の変更をする
余地があります。

②和解

和解とは、双方が譲り合って法的責任を
負うことです。

具体的に言うと例えば、噛みついた犬の
飼い主が治療費や慰謝料を支払い、
噛まれた方は、被害届を出さないなどが
これにあたります。

一度和解が成立したら、
二度とむしかえすことはできません。

考え方によっては、安心して元の生活に
戻ることができるということですね。

咬傷事故での示談成立の
タイミング

治療が完了してから行うのがベストです。

なぜなら、当事者同士で示談を
成立させた場合、

治療費を含む損害賠償金を受け取った
時点で、それ以降の治療費は飼い主に
請求できなくなってしまうからです。

相手のペースにのまれず、
まずは自分が入っている健康保険協会に
連絡し、示談するタイミングについて
聞いてみましょう。

もちろん、相手の示す条件に誠意が
感じられない時は、しっかり交渉を
しましょう。

納得できない場合は、最終的には
訴訟を起こすことができます。

今回の記事のまとめです。

・示談は相手任せにせず、
 被害者も主体的な姿勢で臨むのがよい

・相手に誠意が感じられない場合は、
 訴訟を起こすことも可能

いつだれが遭遇しても不思議ではない
咬傷事故。

対処方法を知っておくことが、
自分や大切な人を守ることになりますね。

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