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犬が飼い主家族をランク付け。どんな心理でこんなことを?

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

 

犬が飼い主家族をランク付け。どんな心理でこんなことを?

犬を飼う人から、
「うちの犬はお父さんが帰ってくると、
 ずっとそばにいる」

あるいは
「お母さんが一番。お父さんが
 遊んであげようとすると唸る」

といった話をよく聞きます。

犬は、一つの家族でも
個別に態度を変えているようなんです。

また、

①散歩のとき飼い主より前を歩く
②物をくわえて離さない
③ソファなど、高いところで寝る
④甘噛み・マウンティング

など、好ましくない行動をすることも。

このような行動は、犬の習性である
“ランク付け”が
原因と言われています。

ここからは、犬が飼い主をランク付け
する理由(心理)と対処法を詳しく
解説していきます。

ランク付けする理由とは?

犬の先祖のオオカミは、群れで暮らして
きました。

群れには父親であるリーダーがいて、
子どもたちや他のオオカミはリーダーに
従って生きてきました。

リーダーは獲物を一番先に食べ、
おこぼれを下位のオオカミに与えます。

オオカミ同士遊ぶときもリーダー次第。

リーダーから遊びに誘われると
遊びますが、下位のオオカミから
リーダーを遊びに誘っても、リーダーは
応じません。

このように、行動の先立ちになるのが
リーダーであり、このことは
オオカミの
ランク付けと呼ばれています。

ランク付けする理由は、
‘リーダーについていくことに、
 何らかの得を見出しているから’  とも

‘不要な権力争いを避け、群れを平和に
保つためだ’ とも
言われているんです。

損得勘定と治安維持…。

意外にも、力による統制ではないことに
驚きませんか?

専門家の間では新しい解釈も

長年、犬の好ましくない行動と
ランク付けは
結び付けられてきました。

その対策として、飼い主はリーダー
であり
犬より上だと教えることが重要だ
とされてきたのです。

好ましくない行動には無視を徹底し、
好ましい行動をした時にだけほめる
というもの。

けれど、最近、専門家の中では
新しい考え方が出てきているんですね。

それは、犬は自分を家族の一員として
認識しているという考え方です。

態度に差が出るのは、ランク付けに
よるのではなく
家族との個別の関係性の
中での
好き嫌いや損得勘定によるものだ
という解釈です。

飼い主を下位に見ている?
好ましくない行動

①散歩のとき飼い主より前を歩く

散歩の時、犬に引っ張られている
飼い主をよく見ませんか?

引っ張る力次第では、首輪が外れる
可能性があります。

大きな音や怖いものなど、何か突発的な
ことが起きた時、
制御不能で
とても危ないですね。

このケースは、単に楽しくて早く先へ
進みたい、
目的地に行って遊びたい
という
気持ちの表れがほとんど。

あるいは、オシッコを我慢しているから、
早く歩きたいのかもしれませんよ。

問題なのは、リードを首で引っ張って
歩くことによって、犬の首や肩に負担が
かかるということ。

適宜おやつなどを使って、
飼い主の横について歩くと、
    
うれしいことがある」
教えてあげましょう。

②物をくわえて離さない

好奇心の強い犬は、散歩中もよく
拾い食いをしてしまいます。

落ちているゴミなどを食べようと
することもあり、
やめさせたくても
唸ったり
噛みついたりして
離さないことも。

これは、過去の経験から、
飼い主に渡したらもう返して
 もらえない」
と学習しているために
取ってしまう行動。

普段から、飼い主との遊びの中で、
「ちょうだい」
の遊びに
慣れておく必要があります。

大切なものを渡してくれたら、すぐに
返してあげるのを
繰り返しましょう。

楽しい遊びだと理解すれば、
いざという時「ちょうだい」に応じて
くれるようになります。

くわえたものを放すと、いいことが
起きると教えてあげましょう。

③ソファなど、高いところで寝る

犬は、飼い主と目線が近くなるので、
ソファで寝ることを好むもの。

今までは、この犬の行動を人間の考える
上下関係に当てはめて、
飼い主を下位に
ランク付け
しているからと考えられて
きました。

でも今では、犬は単にソファなど
見晴らしの良い
高い場所が好きな上、
飼い主さんのにおいがするから
という解釈が定着してきています。

ただ、ソファに毛が落ち不衛生ですし、
乗り降りで、腰に負担がかかることを
考えると、なるべくなら
やめさせたい
行動の一つ。

④甘噛み・マウンティング

愛犬の甘噛みで飼い主さんの手は
いつも傷だらけ…なんてことも。

甘噛みは、相手がどこまでなら許して
くれるかを試している、とも
考えられて
います。

マウンティングも、子どもの頃の
兄弟同士での
遊びの一環としての
名残とも。

でも、相手を下位に見ているわけでなく、
コミュニケーションの一環として
相手の反応を見るためのマウンティング
だとしても、

飼い主がされて嫌なら、
そのことを意思表示することも大切。

ただし、癖になっている時には、
する前に別のことで気を紛らわせて
あげましょう。

今回の記事のポイントです。

・‘飼い主家族をランク付けする’
 というような犬の好ましくない行動は、
 厳格な主従関係が大切とされてきた
 オオカミの習性によるものと考えられる

・最近は、好ましくない行動と
 
ランク付けは関係なく、信頼関係が
 大切、という
新しい解釈も出ている


時代と共に、犬との暮らし方も
変わって
いきます。

皆さんもぜひ一度、
愛犬との関係を見直してみませんか。

 

{あとがき}

わが家には以前、ほたるという♀の
ワンコがいました。
(ミックス犬というか雑種犬というか)

ほたる1才頃のある日、犬が悪いことを
したら
体罰をしてもいいという
昔のしつけ方法しか知らない夫が、
しつけと称して体罰をしてしまいました。

体罰は、それ一度きりでしたが、
その日を境に、ほたるは噛む犬へと
変貌してしまったのです。

それなのに、夫をリーダーと認める
ことに何らかの得を見出している
(オオカミのランク付け)のでしょうか、

夫が帰ってくると異常に喜び、
夫にじゃれついて遊ぶのです。

でもそれは夫にだけ。

私や娘や息子がほたるを触ろうとすると
唸り噛む、
時には唸りもせずいきなり
噛むことも。

私は、手を噛まれ流血、ジンジンとして
腫れたことが2度ほど。

それからは、ほたるが散歩中にゴミの
拾い食いをしても、
家で汚れた靴下を
食べてても、
噛むからと
やめさせられませんでした。

でも、それ以上に私たち飼い主が
愚かだったのは、
そういうほたるを
直して
あげなかったことです。

直してあげられないまま
11才10ヶ月で旅立たせてしまいました。

その後私は、涙が止まらず、
生活している実感が
ないという重症の
ペットロス症候群に…

愛犬を、噛む犬には絶対しないで
ください。

そして噛む犬にしてしまっても、
なるべく早い時期に
直してあげてください!

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