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犬が権勢症候群になってしまった。原因と対処法は?

この記事を読むのに必要な時間は約 12 分です。

犬が権勢症候群になってしまった。原因と対処法は?

犬の‘権勢症候群
(アルファシンドロームともいいます)

という言葉をご存じでしょうか。

犬が、群れ(=飼われている家庭)の中で、
自分が一番偉いと認識してしまい
飼い主やその家族に対して
敵対的な行動をとってしまうことです。

※現在では、犬が権勢症候群になる原因
 とされる『犬が自分の方が飼い主より
 上に立っていると思うから』は、

 根拠がない迷信のようなもので
 本当はストレスなど他の原因がある
 という説が定着しつつあるんです。

愛犬がこんな行動をしたら権勢症候群を
疑ってみて。

①散歩やエサの時間が近づくと
 吠えて知らせる
②散歩のとき飼い主よりも先を歩く
③名前を呼んでも来ない
④嫌なことをされそうになると
 唸り噛んでくる

特に④のケースでは、犬が体を
触られるのが嫌だからと噛んでくると、

動物病院での受診・トリミング・
リードつけなどなど困る場面が
たくさんあります。

わが家でも一番困ったことは、
ほたるが寝たきりになっても
怖くて触れないため、満足に介護が
できなかったことです。

ここから、犬が権勢症候群になる原因と
犬との関係を見直しながらの治し方を
解説していきます。

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犬のこのような行動は権勢症候群かも

そもそも権勢症候群というのは、
‘症候群’ と名前がついているため
間違われやすいですが、
病気ではないんです。

日々の人との関わり方やしつけが上手く
できていないために、
犬が、自分がリーダーだと
勘違いしている状態のこと。

構いすぎや甘やかしすぎが原因
というのがほとんどなんです。

①散歩や食事の時間が近づくと吠えて知らせる

毎日早朝は、飼い犬の
「さんぽに連れて行け!」
と言わんばかりの吠え声で起こされる。

食事の時間になると、
「早くもってこい!」
とでも言うようにいつまでも吠えている。

なぜこのような行動に出るかというと、
吠えて飼い主に主張することで
目的を達成できる、要するに飼い主を
しつけている状態なんです。

要求に飼い主が応えてしまうと、
だんだんと吠え始める時間が早くなり
吠え方もきつくなるなど
エスカレートしていく場合も。

②散歩のとき飼い主よりも先を歩く

本来犬は、群れで移動するとき
リーダーが先頭を歩き、行先も
リーダーが決めるという習性があります。

なので、飼い主を下に見ている場合、
このように犬の方が先に歩き
飼い主をリードする行動をとることが
多々あるんです。

中には、愛犬に引きずられ転倒して
骨折などケガをしてしまうケースも。

そしてエスカレートすると
これだけにとどまらず、散歩ですれ違う
他の犬に対しても

「どけどけ、オレ様のお通りだ!」

と攻撃的に吠えまくり、あげくには
相手の犬や飼い主さんに
噛み付くということも。

③名前を呼んでも来ない

飼い主さんから名前を呼ばれることは、
犬にとってとても嬉しいこと

ところが、飼い主さんを下に
見ている場合、呼ばれても無視したり、
気に留めないような行動をとるケースも。

④嫌なことをされそうになると唸り噛んでくる

動物病院での受診やトリミング(爪切り
シャンプー)散歩の時のリードつけなど
嫌なことをされると
本気で噛んできたりします。

あるいは、恐怖から唸り噛むことも。

犬がアルファシンドロームになる原因は?

犬がアルファシンドロームになる原因は?

権勢症候群になる大きな原因は、
犬と飼い主の信頼関係が
うまく取れていないことや、
‘ハンドシャイ’というものがあります。

①飼い主と犬との信頼関係ができていない

1)犬からの要求に無条件に応える

いつもゴハンを与えている時間に
なる前に、吠えて急かす場合があります。

このようなとき、無条件に与えることは
ないですか?

犬の気まぐれではなく、
飼い主さんが決めた時間にゴハンを
与えるようにしましょう。

また、飼い主が食べているものを
犬が横から食べようとしたとき、
かわいいからといって与えるような
ことがあると犬は、

「飼い主が食べているものを横から
 食べようとするとおやつをもらえる」

と認識するようになってしまいます。

犬の要求には基本的には無視して、
飼い主が主導権を握るようにしましょう。

2)飼い主が食事をする前に犬に
 ゴハンを与える

信頼関係をはっきりさせるためには、
飼い主の食事が終わった後で
犬にゴハンを与えるようにしましょう。

3)人が食べている食べ物を犬に与える

飼い主が食べているものを
犬に与えることは、

「飼い主と同等なんだ」

と認識させる原因になるので
やめたほうがいいですね。

また、人間には害がなくても、
犬にとっては猛毒な食べ物も数多く
存在するという意味でも、

犬が欲しがっているからと、
気軽に人間の食べ物を与えることは
避けましょう。

②ハンドシャイ

人の手に対してトラウマがあり、
過剰に怖がることを
‘ハンドシャイ’ といいます

犬は、怖がりという一面を持っていて、
実はトラウマを抱えやすい動物だと
いわれているんです。

たとえば、子犬の頃に叩かれたことが
あるとトラウマになり、
手が近づいただけで唸ったり吠えたり、
最悪噛みついたりすることも。
(うちはこのケースでした)

この場合、しつけにはかなりの
時間と根気が必要です。

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犬が権勢症候群になったときの治し方

犬が権勢症候群になったときの対処法

犬の権勢症候群の治し方ですが、
まずは前述したように原因になる行動を
改めることから始めます。

できたら大げさにほめたり
ごほうび(おやつ)を上手に使うことが
ポイント!

①しつけの基礎を教え直す

「マテ」や「オスワリ」
「コイ(呼び戻し)」などしつけの基本を
教えるまたは教え直しましょう。
(飼い主さんの根気が試されますが)

まずは集中するために、おもちゃなどが
散らかっていたら片付けて静かな環境を
整えましょう。

また、犬の集中力は10分前後
言われているので、飽きてきたら
無理強いせず早めに切り上げ
次は翌日にする方が効果的。

くれぐれもしつけの時間が犬の苦痛に
ならないようにしましょう。

基本的なしつけですが、犬と触れ合う
時間が増えて信頼関係が築きやすく
なりますよ!

しつけのとき絶対してはいけないのは、
怒鳴ったり体罰をしたりして
犬に恐怖心を植え付けること

わが家もこれで失敗しましたが、
犬は言うことを聞くどころか
できるものもできなくなってしまいます。

ダメなことは言葉ではっきりと伝え、
少しでもできたら大げさなくらいほめて
おやつをあげましょう。

叱ることを極力無くするのがコツです。

②遊びを通して犬のストレスを無くする

ゲームなど楽しい遊びを
取り入れましょう。

飼い主と遊んで楽しいとストレス発散に
なりますし、信頼関係や服従関係も
築かれ一石三鳥というところですかね!

この場合も、ほめておやつをあげながら
楽しく遊びましょう。

③犬の社会性を育てる

他の犬とも積極的に遊ばせてみましょう。

この方法は、社会化が形成されやすい
子犬の時期が最適。

犬は、成長するとじゃれていても
本気で噛むこともあるからです。

成長してからでもお互いの
ワンちゃんの性格によっては大丈夫かも
しれませんけれど。

ただし、無理強いはNGです。

④噛み犬専門トレーナーに託す

ハンドシャイなどのように、
トラウマが深く根付いているような
場合は、かなり大変でどうしても
直らないこともあります。

そのような場合は、噛み犬専門の
トレーナーや訓練所などに託すことを
おすすめします。

⑤薬物療法

動物病院でこの病名の診断を
受けた場合は、
薬物療法がとられることもあります。

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いかがでしたでしょうか。

権勢症候群(アルファシンドローム)は
習慣化してしまっているため、
直すのに苦労することもあるでしょう。

しかし根気強く訓練すれば
改善されるのも不可能ではありません。

また、今回お伝えした犬の症状は、
すべて権勢症候群によるものとは
断言できません。

もしかすると飼い主に対して、
恐怖心を抱えているために怖くて
吠えている場合などもありますので、

対処については、犬の様子を見ながら
行うようにしましょう。

あとがき

わが家で飼っていた今は亡きほたるは、
まさにハンドシャイ(人の手が怖い)からの
権勢症候群でした。

ほたるが1才頃、人の手が怖くなる
出来事があって以来、
とうとう旅立つまで夫以外の家族(私や
息子、娘)は触れませんでした。

それまでは手からおやつを食べたり、
散歩後の足拭きなどでも
普通に触れていたんですけどね。

私は2度ほど手を噛まれ、
流血~ジンジンと熱を持って
腫れたことも。

権勢症候群になってしまうと
正直ちょっとやそっとでは直りません。

現にわが家のほたるは直りませんでした。

というかこのダメ飼い主は直そうとも
しなかったのです。

この出来事以来、噛まれるのが怖くて
触れなくなってしまいました。

散歩する時は夫にリードを着けてもらい、

(リードさえ着けてもらえば、
 散歩に行くのは誰でも大丈夫でした、
 ただリードが外れたらどうしようと
ハラハラしながらでしたが)

爪切りや耳掃除などは、行きつけの
クリニックでの受診の際、
夫が押さえつけて獣医さんにお願いする、
というような状態でした。

介護が必要なときでさえ
触ることができず、それが可能に
なったのはほたるの亡骸にでした。

犬との生活で、
こんな不幸ってないですよね。

せめて、噛む兆候が表れたら、
すぐにしつけ直しをしておけば…なんて
もう遅いんです。

私が重症のペットロスになったのも
自業自得。

あなたとワンちゃんの暮らしが
こんな風にならないことを祈っています。

万が一噛む犬にしてしまったなら、
できなかった私が言うのも何ですが、
どんな手を使ってでも直してあげてほしいです。

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