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犬のしつけは最新の方法がいいの?情報過多で飼い主は混乱

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

犬のしつけは最新の方法がいいの?情報過多で飼い主は混乱

犬のしつけ方法が変わってきています。

犬の専門雑誌やネットでも、
最新の情報を得ることができますよね。

ただ、古い方法と最新の方法が
混在していて、

「どうしたらいいか、よくわからない」
という人もいると思います。

人間の子どもの育て方も、ひと昔前とは
ずいぶん変わっていますよね。

幼児教育学や発達心理学の研究が進み、
昔の常識は今の非常識とも言えます。

犬のしつけについても、
動物行動学などの学問が発達する中で、
獣医師やドッグトレーナーを中心に、
推奨するしつけの方法が変化しています。

これまで良しとされていたしつけ方法は、
次のようなものです。

①上下関係を厳しく教えなければ
 いけない
②言葉が通じないからしつけは叩いて
 教える
③言葉が通じないからしつけはマズル
 (鼻先)を掴む
④服従心を教えるため悪いことをしたら
 仰向けにする
⑤子犬のうちはしつけをしない

このようなしつけは今でも通用するので
しょうか?

いいえ、今はむしろ否定されている
ことがほとんどです。

それでは、最新の犬のしつけは
どのようになっているのかを
これから解説していきます!

これまでの犬のしつけ方法

①上下関係を厳しく
 教えなければいけない

「お母さんの言うことしか聞かないのは、
家族の中でお母さんが一番偉いと
思っているからだ。」

「犬が、視点の高いソファで寝るのは、
自分の立場が上だと思っているから。」

など、‘直すべき’とされていた行動が
あります。

しかし、最近では、犬は上下関係では
なく損得勘定によって従う人を決めて
いるという考え方が広まってきました。

また、ソファで寝るのは、単に、犬は
見晴らしのいい場所が好きで、飼い主の
匂いがするソファが安心できるから、
という捉え方に変わってきています。

②言葉が通じないから
 しつけは叩いて教える

これは、だいぶ前から否定的な
受け止め方をされるようになって
いますね。

子どものしつけでも同じですが、
あらゆる暴力による服従は、トラウマや
心の傷を残すだけでなく、脳の発達にも
支障をきたす悪しき方法です。

言葉が通じないことは理由になりません。

言葉が通じないなら何をしてもいいという
考え方は、障害・高齢の福祉分野や
幼児教育の世界ではありえないことです。

ペットの犬だって同じではないでしょうか。

③言葉が通じないから
 しつけはマズル(鼻先)を掴む

マズル(鼻先)は犬にとっていわゆる急所。

昔は、犬が悲鳴を上げるよう、強く
つかむのがコツ、などといったことが
よく言われてきましたよね。

先ほどの暴力との共通点は、
「しつけには体罰が必要だ」
という考え方です。

でも、心理学では、体罰には内面的な
学びを得る効果はなく、むしろ反抗心を
生みやすいとされているんです。

また、手を使ってマズルを掴むところを
見せ続けること自体に弊害が伴います。

人の手を嫌う‘ハンドシャイ’を
引き起こし、人が犬を撫でようと手を
出しただけで、唸るや噛みつくという
新たな問題行動につながってしまいます。

④服従心を教えるため、
 悪いことをしたら仰向けにする

お腹は大切な臓器が入っているので、
犬にとって、そこを攻撃されることは
致命的です。

本来、犬は弱い所を見せたがりませんが、
服従心や信頼を表現する時、
ゴロンと仰向けになってお腹を見せます。

悪いことをしたら、それを強制的に
人の力で行い、命令に従わせ服従心を
叩き込む、というのがこの方法です。

中型犬以上の骨格の犬なら、
ひっくり返される度に体に相応の負担が
かかることに。

恐怖心から表面上服従するのではなく、
犬がすすんで飼い主の言うことを
聞きたいと思うような関係を築きたい
ですよね。

⑤子犬のうちはしつけをしない

これも以前はよく言われていました。

しかし、犬の成長はとても早く、
気づけば立派な成犬になってしまった、
なんてことも。

出会ったその日から、
犬が人間社会で幸せに生きていくための
しつけをしていく必要があります。

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最新のしつけはどうなって
いる?

最近のしつけにおいては、上下関係より
犬と飼い主の信頼関係を重要視する
考え方が主流となってきました。

犬は、リーダーを中心に群れで暮らす
オオカミが祖先とされています。

しかし、最近は、リーダーの役割は
力による支配ではなく、食料の確保と
危険からの回避だということが分かって
きました。

また、その発達過程は、全く
オオカミとは違っていることも明らかに
なり、しつけの方法が変わってきました。

動物行動学など、犬のしつけに関する
学問も発達し、犬の問題行動の裏に
どんなネガティブな心理があるのかを
分析し、

それを刺激しない、あるいは
ポジティブな記憶に置き換える、という
方法でしつけなおすことが良いと
されているのですね。

このように、
昔良いとされていたしつけ方法は、
時代の変化と学問の発達とともに
今はむしろ否定され始めています。

最新のしつけは、犬の習性や心理を
熟知してしつけに活かす方法が主流。

良くないのは、
飼い主がしつけの方法に迷って、
複数の方法を中途半端に行うことです。

犬が混乱しないように、しっかりとした
根拠に基づいた最新のしつけを
実践することが大切です。

また、しつけがうまく行くかどうかを
左右するのは、今まで言われていた
上下関係ではなく、

あたたかな信頼関係であることも
忘れてはいけないですね。

テクニックでしつけが全て解決するなら、
これほどしつけで悩む飼い主は
いないでしょう。

子どもの数だけ子育ての方法が
あるように、犬にも万能なしつけ方法は
ないのかもしれませんね。

言えることはただ一つ、

‘目の前の生身の命と向き合い、
 感受性をフル活用して
   信頼関係を作ること’

に他なりません。


{あとがき}

12才になるのを待たずに、次の世界に
旅立ってしまったわが家のほたるも、
古いしつけ方法の犠牲になったと
いえるかもしれません。

なにしろ、子供のころ犬を飼った
ことがあり、
‘言うことを聞かなければ叩いてもよい’
というしつけ方法しか知らない夫からの
たった一度の体罰で、頑なに心を閉ざし、

夫以外(夫のことはリーダーと位置付け
たのだと思います)の家族が触ろう
ものなら、本気で噛みつく凶暴犬に
変貌してしまったのですから。

あの、朗らかで愛嬌を振りまいていた
ほたるが、です。

怖がりで神経過敏なほたるにとって、
その体罰が与えた恐怖はいかばかりの
ものだったか計り知れません。

ほたるを撫でてあげられたのは、
旅立った後で9年ぶりだったなんて、
こんな不幸はありませんよね。

あなたは噛む犬には絶対にしないで、
もししてしまったら、私のような、
ろくにしつけ直しもできない飼い主には
絶対ならないでください。

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