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犬が手を怖がる。今にも噛みつきそうな時の心理と直し方

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

 

犬が手を怖がる。今にも噛みつきそうな時の心理と直し方

犬が手を怖がる心理とは、
どのようなものなんでしょうか。

生まれつき人間の手を怖がる犬は
いません。

なのに、ある時から人の手を怖がり、
今にも噛みつきそうな唸り声で
警戒する犬がいます。

これでは、飼い主が犬に触るのが
怖くなってもしかたありません。

でも、せっかく犬と暮らしているのに、
ふれあうことができなくなるのは
もったいないし
悲しいですよね。

実は、撫でようと近づけた手に、
「ウー!」
と唸って噛みつこうとしている犬には
次のような心理が働いているんです。

①叩かれる怖さ
②奪われることへの反発
③閉じ込められることへの抵抗

そして、次のような直し方があります。

①叩かない
②無理に触ろうとしない
③触り方を工夫する

ここから、犬が人の手を怖がる心理と
直し方について解説していきます。

その前に、
ハンドシャイについて

犬が人の手を怖がる状態を
‘ハンドシャイ’といいます。

軽度のものから重度のものまでさまざま。

過去に叩かれたことが原因でトラウマに
なり、手を見ただけで拒否反応を示して
しまいます。

飼い主はしつけのつもりでも、
犬は叩かれた理由が分からず、恐怖心や
反抗心だけが芽生えて
しまうことが
あるんです。

飼い主が叩いていなくても、
保護犬を譲り受けた場合など、

前にどういう飼い方を
されていたかに
よっては
既に次のようなハンドシャイの
反応を示すことがあります。

・身をすくめる
・耳やしっぽが下がる
・唸る
・噛みつく
・顔を背け、目をつぶる
・後ずさりする

もし、ハンドシャイだとわかったら、
決して無理に撫でようとしたり叱ったり
しないでください。

一方的な愛情表現や間違ったしつけは、
状態を悪化させてしまいます。

 

犬が手に噛みつこうとする
心理

①叩かれる怖さ

手で叩かれたことがある場合、

その時の痛みや恐怖がよみがえっている
可能性があります。

気弱な犬なら、身をすくめる・後ずさり
するなどの行動に表れ、


反対に気の強い犬だと、
唸って噛みつく
といった行動に出ます。

②奪われることへの反発

遊んでいる時に
おもちゃやお気に入りの
物を
奪われることが多いと、人の手に
対して悪いイメージを
抱きがちです。

飼い主が、遊んでほしくないものを
片付けず床に出しておいて、
犬が気に入って遊びだすと取り上げる、
というパターンが繰り返された結果と
いうことも。

健全な主従関係を築くには、
遊びは飼い主主導で始めるのが理想です。

遊ばれたり口に入れたりしたら
困るものは
きちんと片付けておくことが
飼い主の役目と心得るようにしましょう。

③閉じ込められることへの抵抗

まだ遊びたかったのに抱き上げられ、

そのあとケージやクレートに

閉じ込められたことを強く覚えて
しまっている場合、
差し伸べられた手を
嫌がってしまうことも。

あるいは、抱っこされて受診、
またはトリミングした時の嫌な経験が
影響する場合もあります。

 

ハンドシャイは直すことが
できるの?

ハンドシャイは、
根気がいりますが直すことは可能です。

①叩かない

叩くなどの体罰によって
引き起こされた
ハンドシャイは、
当然ですが、
叩く以外の方法でしか改善されません。

ハンドシャイによって噛みついてきた
犬に対して
叩くなどの体罰を用いれば、
直るどころか悪循環に陥るだけです。

②無理に触ろうとしない

人の手に慣れさせようとして、
犬の心理を無視して触るのは
よくありません。

犬の気持ちを尊重し、
初めて会った人と仲良くなる時のように
大切に関わりましょう。

1)まずは犬を驚かせないように、
 さりげなく近づき腰を下ろします。

2)正面から少しずらした場所で、
 あえて視線は合わせずリラックスする
 ことがポイント。

3)犬が警戒していないようなら、
 手の甲の匂いを嗅がせましょう。

4)大丈夫そうなら、ほめながら、
 足の付け根や首筋を撫でてあげます。

 このとき、いきなり頭やお腹を
 なでるのはNG。

無理せず、毎日少しずつ続け、
犬が嫌がったり興奮したりするときは、
トレーニングを中止します。

飼い主の緊張やおびえた気持ちは、
犬に伝わって見透かされます。

穏やかながらも堂々とした気持ちで
犬と向かい合いましょう。

人の手が怖くないことを分かってくれる
まで、
根気よく関わる必要があります。

③触り方を工夫する

ハンドシャイになってしまった犬の
多くは、
上から頭を殴られているので、
上から人の手が下りてくることを
反射的に嫌がります。

犬に触れる時は、手を下から
出すようにします。

また、‘人の手はいいものだ’ と教える
必要があるので、
おやつを人の手から
与え、
うまく食べられたら

「いい子だね」


などとほめてあげましょう。


今回の記事のポイントです。


▶犬が手を怖がる状態を
ハンドシャイと
 いい、体罰が原因とされる


▶直すには、‘人の手はいいものだ’ と

 覚えさせなければならないため、
 根気よく関わる必要がある


犬が人の手を怖がるハンドシャイは、

飼い主との不健全な関係の現れと
いってもいいのではないでしょうか。

‘直す’ というと一方的ですが、
‘犬との関係を結びなおす’ 感覚で
向き合ってみるのがいいかも
しれませんね。

 

{あとがき}

以前わが家で飼っていたほたるという
ワンコは、1才頃一度だけ、
昔のしつけ
しか知らない夫から
体罰を受けました。

じゃれすぎたほたるが、夫の手を
思いっきり噛んでしまったからです。

それ以来、夫以外の家族を本気噛みする
凶暴犬になってしまいました。

私は2回ほど左手を噛まれ、
流血からのジンジンとする腫れ、

息子は鼻を噛まれました(こちらは
幸い
かすり傷程度)。

夫には従順で懐いているのですが、
私や子供たちは触ることができなく
なりました。

たぶん、私や子供の緊張やおびえた
気持ちがほたるに伝わって、
見透かされたのでしょう。

噛む犬の兆候が見られたら、すぐ直して
あげる努力をすれば
よかったのです。

それをしなかった私は飼い主失格です。

噛む犬にしてからは、ほたるとふれあう
ことができなくなり

(触って戯れる夢を見たりしました)、

ほたるが寝たきりになっても、

満足な介護もできないまま旅立たせて
しまいました。

さわることができたのは、ほたるが
旅立った後、という
悲しすぎる別れ。

その後、私のペットロスの症状は、
ひどいものになりました。

叩いてしつけるのは簡単で即効性が
あるように見えますが、
このように
深刻な副作用を
引き起こしてしまいます。

噛む犬には絶対にしないでください。

もし、そうしてしまっても、できるだけ
早い段階で
直すことを検討して
ほしいです。

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