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ペットの老犬が、触ると怒るように
なったと悩んでいる人がいます。
当然、犬も歳をとるので食欲が減り、
寝てばかりになってきます。
介護のため老犬に触る機会が
増えていきますが、そのたびに犬が
怒ると介護しづらくて困りますよね。
深刻なのは、
噛み癖が出てきたときでしょう。
必要な介護ができなくなるので、
飼い主は罪悪感を持ってしまうかも
しれません。
(以前、わが家はこれでした。
満足な介護ができなかったので、
ほたるの寿命を 縮めたと思っています)
では、この状況をどのように
乗り越えればいいのでしょうか。
老犬が触ると怒るのは次のような
理由からです。
①認知症
②目や耳が悪くなっている
③体が痛い
④不満がある
この記事では、老犬が、触ると
怒るようになった理由を明らかにし、
改善の手立てや介護の工夫・心構え
についてお伝えします。
犬の介護に不安を持っている人は
参考にしてみてください。
ここから解説していきます。
老犬が触ると怒る理由
介護しようとしただけでウーっと唸る、
歯を見せるなどして怒る…。
犬のためを思って触ろうとしているだけ
なのに拒否されるとショックですよね。
でも、老犬にはそれなりの理由が
あるんです。
①認知症
犬にも認知症があるんです。
ひどくなると、飼い主の顔すら
分からなくなってしまうことも。
初期の認知症では、場所が分からなく
なったり、食べたかどうかを忘れたり
するようになってきます。
また、今までできていたことが
できなくなっていく不安や混乱から
夜泣きが増えるなど、
精神的にも不安定になっていきます。
人間でも同じですが、不安が強い
精神状態は怒りっぽさを伴います。
ですから、今までは平気だったことで
怒るようになってしまうというわけです。
また、認知機能が衰えてくると、
言葉の意味も分からなくなってくるので、
飼い主が声をかけながら近づいても、
何のために触られるのかが分かりにくく
なってきます。
分からないことが、ストレスと恐怖を
生み出すので怒りっぽくなって
しまいます。
②目や耳が悪くなっている
想像してみてください。
静かな暗闇の中ひとり立ちすくんでいる時、
よくわからない人影が、自分に手を
伸ばして触ろうとしてくることを。
きっと
「誰だ!近寄るな」
と警告しますよね。
それでも近づいてくるならどうしますか?
目や耳が悪くなっている老犬が、
唸って必死に警告することや
最悪噛んでしまうことは、
自然なことだと気づくでしょう。
③体が痛い
老犬は、病気やケガを
抱えていることがよくあります。
しかし犬は、
本能で痛みを隠す性質を持っているので、
飼い主が気づけないこともあるんです。
痛みを必死に我慢しているのに
患部を触られそうになったら、
「やめて!」
と怒りますよね。
④不満がある
ベッドが硬すぎる、排泄物で
体やペットシートが汚れている、
といったストレスが神経をとがらせて
いるのかもしれません。
若い頃とは違い、寒さ暑さに
耐えられなくなっているので、
少しでも快適に過ごせる環境を
作ってあげてください。
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‘老犬が触ると怒る’を
改善するには?
①しっかり治療する
残念ながら、認知症の場合、
病気そのものの根治は難しいのが現状。
でも、それ以外の病気やケガで
怒りっぽくなっている時は、
しっかり治療することで
改善することがあります。
②年齢に合ったフードなのか
見直す
歳をとるということは、
内臓も骨格も変わってくるということ。
若い頃と同じフードを与えていませんか?
消化吸収が悪くなった胃腸では、
お腹を壊しやすくなってしまいます。
体調不良からくるストレスを
溜めないよう、老犬用のフードを
与えましょう。
③ベッドの硬さは適切ですか?
筋肉が落ちて、
体重を支えきれなくなってきた体には、
柔らかめのベッドが必要かもしれません。
動物医療機関では、床ずれ予防に
体圧分散マットレスというものが
使われていますし、
最近は、体圧分散型の座布団や
クッションがたくさん出回っています。
老犬のベッドを変えただけで
よく眠れるようになり、
精神的に落ち着いてくることもあるので
試してみてください。
老犬介護の工夫と心構え
①ゆっくり短い言葉で話しかける
人間もそうですが、犬が認知症の場合、
情報処理の量やスピードが落ちるので、
飼い主の話しかける言葉が
分からなくなっていきます。
こちらは声をかけてから触った
つもりでも、老犬からすれば
何か分からないままに触られると
感じているかもしれません。
意識して、ゆっくりと話しかけるように
しましょう。
②触る時はゆっくりと
犬は、老化しても
臭覚は比較的保たれるとされています。
触る時は、手の甲の臭いをかがせ、
安心させてからゆっくりと
触るようにしましょう。
③リラックスさせる
人間には、マッサージや音楽、
アロマセラピーと、リラックスの方法が
ありますね。
最近は、犬にも同じような効果が
あることが分かってきました。
マッサージさせてくれないことも
あると思うので、
その場合は臭覚や聴覚に働きかける
方法でリラックスさせましょう。
ただし、アロマを嗅がせる場合、
犬に使用してはいけない
エッセンシャルオイルや、
希釈濃度をしっかり調べてから
行うようにしなければなりません。
今回の記事のまとめです。
・老犬が触ると怒るのは、
老犬ならではの理由がある
・改善の手立てとしては、
必要な医療や介護をすると同時に、
飼い主の介護の工夫や心構えも
必要になる
いかがでしたか?
老犬をしつけ直そうとするのは
ナンセンス。
老化で変わっていくことも愛犬の自然な
姿と捉え、丸ごと受け止める飼い主で
ありたいものです。